このメルマガの、最後の行まできっちり読んでくれたかたはお気づきでしょうが、先週からちょっと珍しい注意書きが加わりました――「メルマガに掲載される記事の著作権は発行責任者に帰属しますが、ツイッター、Facebook、ブログでの引用やご意見は、おおいに歓迎いたします」。そうなんです、このメルマガ、みなさんのSNSやブログとかで、どんどん引用してくれてかまわないんです。ま、全文引用されても困るけど、どうせ長すぎるし(笑)。
一昨年も、去年も、そして今年も日本では「電子書籍元年」と騒がれて、しかしいつも空振りというか、まったく盛り上がりに欠ける状態のまま、現在にいたってるのはご存じのとおり。その、いちばんの問題は「どんなフォーマットで配信するべきか」という・・中味じゃなくて梱包をめぐるバカみたいな議論なのですが、それをさらに突き詰めていくと著作権保護=コピーガードという問題が浮上してきます。つまり、電子書籍は売りたいけど、簡単にコピーされても困るし、という業界のホンネがそこには図太く横たわってるわけです。
でもこれって、昔どっかで聞いたことありません?・・そう、音楽の世界で、まったく同じことが10年近く前にありましたよねえ。パソコンでの複製を防ぐべく、いわゆる「CCCD」というコピーガードを施したCDを、ソニーやエイベックスが発売したの、覚えてます? で、結果は・・もちろん大失敗。いまやiTunesでわかるように、僕らが日常聴いている音源には、それがCDであろうとダウンロードであろうと、コピーガードなんてかかってません。けっきょく、タダでコピーするだけのひとは、どんな防止策を取ったとしても、しょせん自費で買ったりしないってことです。
それを、出版社のお偉いさんたちはいまだに理解してないわけですが、街の現場ではすでにみんなわかってます。というのも、この10年かそこらで大きく変わってきた書店の形態が、まさにそれなんじゃないかと思うんです。
昔の本屋は、立ち読みしてると奥からオヤジが出てきて、わざとらしくハタキでパタパタしたりしたでしょ。でも、いまの書店は椅子やソファや、喫茶コーナーまで置いたりして、ゆっくり試し読みしてもらって、気に入ったら買ってもらうというスタイルに変わってきました。それは書店が、「立ち読みだけのひとはどうせ買わない」と、しっかりわかってきたからです。
で、いまだに電子書籍のフォーマットとかで会議ばかりしてるオッサンとか、超ベストセラー作家が寄り集まって「自炊代行業者許さん」とか息巻いてるのとか、ああいうのが僕には昔の本屋のオヤジのハタキ・パタパタに見えてしょうがないんですね。もうそんなことやってる場合じゃなくて、椅子もソファもスターバックスもある書店を目指せよと。
なので、どれか展覧会を見に来てくれたひとはおわかりでしょうけど、僕は自分の展覧会でも写真撮影オーケーにしてますし、このメルマガも「引用上等」、そして自分の本は、それを自分でやろうと代行業者に頼もうと、どんどん自炊してくれってスタンスです。 いままでも何回か書いてますが、僕の文章や写真は「作品」じゃありません。あくまでも「報道」です。秘宝館の写真を展覧会で見せたとして、それを「美しいプリントですね」と誉められるより、「ここ、行ってみたいです!」と言われるほうが、百倍うれしい。それがたとえば、同じロウ人形館の写真を撮っている杉本博司さんと僕の写真のちがいでもあります(値段も1万倍ぐらいちがいますが・・涙)。だからこそ、複製することでその情報が役に立つのであれば、そして知るべき情報がそれぞれの手で拡散していくのであれば、僕としてはもう大歓迎です。
つくり手それぞれで考え方はちがうのでしょうが、デジタルの時代になって、僕は「著作権」というものに対して、もっと緩やかな考え方が必要な時期に来ているのではないかと思ってます。キャンバスに描かれる油絵とちがって、パソコン上に描かれる絵に「サイズ」という概念が本質的に存在しないように、デジタルで作られる書籍や雑誌に、昔ながらの流儀がそのまま当てはまると思うのは幻想でしかありません。あの、なんの意味もない電子書籍の「紙の本のページをめくるスタイル再現機能」みたいに。
このメルマガを作るにあたって、ふつうに考えれば、これだけのボリュームだから、PDFやドットブック、ePubのような電子書籍フォーマットを使って、有料でダウンロードしてもらう方法もあるわけです(これだけ画像が多いと、既存のメルマガ配信システムでは扱ってもらえないので)。
でも僕にとっては、メールという形式がいちばん魅力的でした。それはパソコン、iPad、スマホ・・いろんなデバイスで見られて、そのデバイスごとに見えかたがちがってくるからです。
いま、電子書籍を作る現場のひとたちが、いちばん苦労している点のひとつが、「どんなデバイスで見ても、いっしょのデザインで見られること」です。でも、それって僕にはほとんど興味がないというか、「デジタルっぽくない」気すらする。ちゃんとしたコンテンツ(内容)があって、それがそれぞれのデバイスによって、ゆるやかにフィットしながら、スクロールするにつれて見えてくる。水がいろんなかたちのグラスに注がれるように。そういうスタイルのほうが、僕にははるかに魅力的に思えます。だから僕はメールという形式を選んだのだし、書いたことがなんの制約(プロテクト)もないまま、興味を共有するひとたちのあいだにどんどん拡散していくことを想像するほうが、はるかに刺激的です。
このメルマガは、まだまだ小さな規模の、言うなればマイクロメディアにすぎません。気に入ってもらえた記事や、友達に教えてあげたいことがあったら、どんどん引用して、どんどん広めてください。そうやって巡り巡って、偶然読んだだれかのブログとかで自分の記事が引用されてたら、すごくうれしいし!
一昨年も、去年も、そして今年も日本では「電子書籍元年」と騒がれて、しかしいつも空振りというか、まったく盛り上がりに欠ける状態のまま、現在にいたってるのはご存じのとおり。その、いちばんの問題は「どんなフォーマットで配信するべきか」という・・中味じゃなくて梱包をめぐるバカみたいな議論なのですが、それをさらに突き詰めていくと著作権保護=コピーガードという問題が浮上してきます。つまり、電子書籍は売りたいけど、簡単にコピーされても困るし、という業界のホンネがそこには図太く横たわってるわけです。
でもこれって、昔どっかで聞いたことありません?・・そう、音楽の世界で、まったく同じことが10年近く前にありましたよねえ。パソコンでの複製を防ぐべく、いわゆる「CCCD」というコピーガードを施したCDを、ソニーやエイベックスが発売したの、覚えてます? で、結果は・・もちろん大失敗。いまやiTunesでわかるように、僕らが日常聴いている音源には、それがCDであろうとダウンロードであろうと、コピーガードなんてかかってません。けっきょく、タダでコピーするだけのひとは、どんな防止策を取ったとしても、しょせん自費で買ったりしないってことです。
それを、出版社のお偉いさんたちはいまだに理解してないわけですが、街の現場ではすでにみんなわかってます。というのも、この10年かそこらで大きく変わってきた書店の形態が、まさにそれなんじゃないかと思うんです。
昔の本屋は、立ち読みしてると奥からオヤジが出てきて、わざとらしくハタキでパタパタしたりしたでしょ。でも、いまの書店は椅子やソファや、喫茶コーナーまで置いたりして、ゆっくり試し読みしてもらって、気に入ったら買ってもらうというスタイルに変わってきました。それは書店が、「立ち読みだけのひとはどうせ買わない」と、しっかりわかってきたからです。
で、いまだに電子書籍のフォーマットとかで会議ばかりしてるオッサンとか、超ベストセラー作家が寄り集まって「自炊代行業者許さん」とか息巻いてるのとか、ああいうのが僕には昔の本屋のオヤジのハタキ・パタパタに見えてしょうがないんですね。もうそんなことやってる場合じゃなくて、椅子もソファもスターバックスもある書店を目指せよと。
なので、どれか展覧会を見に来てくれたひとはおわかりでしょうけど、僕は自分の展覧会でも写真撮影オーケーにしてますし、このメルマガも「引用上等」、そして自分の本は、それを自分でやろうと代行業者に頼もうと、どんどん自炊してくれってスタンスです。 いままでも何回か書いてますが、僕の文章や写真は「作品」じゃありません。あくまでも「報道」です。秘宝館の写真を展覧会で見せたとして、それを「美しいプリントですね」と誉められるより、「ここ、行ってみたいです!」と言われるほうが、百倍うれしい。それがたとえば、同じロウ人形館の写真を撮っている杉本博司さんと僕の写真のちがいでもあります(値段も1万倍ぐらいちがいますが・・涙)。だからこそ、複製することでその情報が役に立つのであれば、そして知るべき情報がそれぞれの手で拡散していくのであれば、僕としてはもう大歓迎です。
つくり手それぞれで考え方はちがうのでしょうが、デジタルの時代になって、僕は「著作権」というものに対して、もっと緩やかな考え方が必要な時期に来ているのではないかと思ってます。キャンバスに描かれる油絵とちがって、パソコン上に描かれる絵に「サイズ」という概念が本質的に存在しないように、デジタルで作られる書籍や雑誌に、昔ながらの流儀がそのまま当てはまると思うのは幻想でしかありません。あの、なんの意味もない電子書籍の「紙の本のページをめくるスタイル再現機能」みたいに。
このメルマガを作るにあたって、ふつうに考えれば、これだけのボリュームだから、PDFやドットブック、ePubのような電子書籍フォーマットを使って、有料でダウンロードしてもらう方法もあるわけです(これだけ画像が多いと、既存のメルマガ配信システムでは扱ってもらえないので)。
でも僕にとっては、メールという形式がいちばん魅力的でした。それはパソコン、iPad、スマホ・・いろんなデバイスで見られて、そのデバイスごとに見えかたがちがってくるからです。
いま、電子書籍を作る現場のひとたちが、いちばん苦労している点のひとつが、「どんなデバイスで見ても、いっしょのデザインで見られること」です。でも、それって僕にはほとんど興味がないというか、「デジタルっぽくない」気すらする。ちゃんとしたコンテンツ(内容)があって、それがそれぞれのデバイスによって、ゆるやかにフィットしながら、スクロールするにつれて見えてくる。水がいろんなかたちのグラスに注がれるように。そういうスタイルのほうが、僕にははるかに魅力的に思えます。だから僕はメールという形式を選んだのだし、書いたことがなんの制約(プロテクト)もないまま、興味を共有するひとたちのあいだにどんどん拡散していくことを想像するほうが、はるかに刺激的です。
このメルマガは、まだまだ小さな規模の、言うなればマイクロメディアにすぎません。気に入ってもらえた記事や、友達に教えてあげたいことがあったら、どんどん引用して、どんどん広めてください。そうやって巡り巡って、偶然読んだだれかのブログとかで自分の記事が引用されてたら、すごくうれしいし!